福島復興サイクルロードレース「協力関係解消」について
2024年6月会議後、現場責任者へ通知、7月末をもって一般社団法人みんぽう文化スポーツコミッションと株式会社福島民報社が主催する「福島復興サイクルロードレース」への協力関係を解消しました。
名称変更と主催者変更の経緯
2018年から2021年まで、弊社は「ツールドふくしま」という公道サイクルロードレースを立ち上げ、福島県内外に広く周知を進めてきました。2022年には、日本最長の211kmコースを実現するため、福島民報社に協力を依頼し、2023年からは一般社団法人みんぽう文化スポーツコミッションおよび福島民報社が主催する「福島復興サイクルロードレースシリーズ」へと移行することを了承。弊社は協力業者としての役割を果たしてきました。
致命的な事案の発生
2023年9月の「ツールドふくしま」において、弊社でプランニング全般を行い、福島県警から211kmの開催内諾を取得しました。補助金による再委託の禁止により、それ以降の業務は事務局(一般社団法人みんぽう文化スポーツコミッションおよび福島民報社)に引き継がれました。
しかし、広域ラインレースの開催3日前にもかかわらず、交通規制看板が設置されておらず、周辺住民への広報も不充分で、交通誘導員のトレーニングも整っていないことが判明しました。
主催者への運営体制の構築要請
2023年9月の「ツールドふくしま」だけでなく、運営全般においてタスクマネジメントが破綻していると弊社は考え、運営体制の強化を求めました。特に以下の役割に対し、専従スタッフが最低でも4名必要と強く伝えました。
- 許可調整担当
- 事前設営担当
- 総務広報担当
- 競技管理担当
また、現場経験の不足を補うため、ツールドおきなわ協会に協力を依頼し、COMカー同乗研修の機会なども提供しましたが、弊社が望む改善は見られなかったため、2023年12月末いわきナイトクリテリウムをもって一区切りとする旨を主催者に伝えました。
主催者自主開催の動向と協力関係解消
主催者が初めて自主開催をした2024年5月18~19日「ツールドふたば」の動向を注意深く見守りましたが、1~2kmのクリテリウムでさえ事前準備が整わない状況では200km以上の広域ラインレースの管理・運営は困難と判断。2024年6月に「危機管理・安全確保」の観点から、7月末をもって協力関係終了と同時に福島復興サイクルロードレースシリーズも実質的に終了となる旨を伝えました。
(備考)
6月9日そうまエンデューロは準備の遅れ、7月6~7日磐梯吾妻スカイラインヒルクライムは主催者では許可が降りない事案のため、弊社でステージ周り以外を業務委託として受注。
協力関係解消の背景と問題点
- 運営体制の不備
- 人材不足と経験不足: 専任スタッフが不足し、現場経験の浅いスタッフが多くを占めていました。
- タスクマネジメントの破綻: 人材不足により、事前準備が後手に回り、必要な作業が十分に行われていませんでした。
- コミュニケーションの不全
- 主催者と弊社の認識のズレ: 運営体制の深刻さに対する認識が大きく異なり、弊社は致命的と判断しましたが、主催者は問題ないと認識していました。
- 自転車競技に対する理解不足: メインスタッフに対して、自転車に実際に乗って、参加者としての視点を大会運営にフィードバックするよう伝えましたが実行されませんでした。
- 許可取得と運営の難しさ
- 広域レースの複雑さ: 複数の自治体との調整や交通規制など、非常に複雑な手続きを要します。
- 補助金の制約と再委託禁止: 事務局が直接レース運営を行う必要があり、人材不足がより深刻な問題となっていました。
(今後について)
2018年~2021年立上げ当初のような、市民レーサーが主役の、チームで楽しみながら年間賞金100万円など娯楽性が高い身近なイベントとして実施予定。国内最多となる公道レース競技管理経験を活かし新たな形式での広域レースや、ジュニア・女子の活躍の場を作っていく所存です。
主役である参加選手の皆様にご心配・ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
まず安全であること、そして、参加して良い一日だったと思ってもらえるよう進めて参ります。
2024年8月20日
合同会社LinkTOHOKU
文責:鵜沼 誠