JBCFとJCLがどうなるか2021年の大予測 #2 新リーグの体制
出典:https://jbcfroad.jp/race/104/#gallery
PART 1 https://link-tohoku.co.jp/jbcf-jcl-forecast-1/
JBCFの体制について述べましたが、今度は新リーグ(JCL)の方の体制について「予測」
「連盟」というものはなかなか変われないものです。いいアイデアやプランがあったとしても理事長が決めるわけではなく、投票権(決定権)を持つ理事1人1人の投票数によって左右されます。テレビドラマなどで、とびぬけた才能を持つ創業社長が解任されるシーン見おぼえないでしょうか。
JBCFも、旧体制のグレーゾーン(法令的にはブラックではないが、ブラックに近いグレーの疑い)を持たれるのは今後の成長のために良くないとスタッフを刷新しました。そして片山右京さんが理事長になり、新たな体制でプロ化を目指していこうといいイメージを持たれていた方も多かったと思います。しかし、人の考えは千差万別で、だいたいは改革派と保守派に分かれ
改革派は保守派から見れば「銭の無駄使い」
改革派から保守派を見れば「時間の無駄使い」
JCL 片山右京・廣瀬佳正 プロとして見栄えよく選手も食える体制を作りたい
JBCF 日本においてプロ化は無理だ。今のまま競技管理団体として続けていく
この争いが起きたことは容易に想像がつきます。このきっかけとなったのは2019年のJBCF修善寺です。新しい体制になった1発目のレースですかね。動画をご覧いただくように「プロとして充分な見栄えやわくわく感」を持ったのは私だけではなかったと思います。これが毎回続けばよかったのですが、脆弱な財務体質であるJBCFにとっては「大きな負担」でしかなかった。
保守派からすれば「何お金使ってんの?今のJBCFでやれるわけないでしょ?」
改革派からすれば「プロというならこれくらいやらないとプロじゃないでしょ?」
何ごとも亀裂が入るきっかけの大多数は「お金の問題」です。改革派が多少衝突があったとしてもまとめる「お金を用意し、実績で語る」しか方法はないのですが、改革派が「プランだけ=修善寺の打ち上げ花火だけ」で終わってしまったことが直接の原因と思います。
亀裂が入れば、その後割れるのは簡単で
JBCF側 無駄銭を使った片山右京・廣瀬佳正はJBCFから出ていけ
JCL側 旧態依然の組織では何も変えられない。自分たちで立ち上げてしまおう!という流れです。
プロレスでいうと
新日本プロレス 猪木さんが筆頭でストロング・スタイルと位置づけ、最も強いのは俺たちだ!というむき出しのライバル心
全日本プロレス アメリカンプロレスを存分に取り入れたショーマン・スタイル
を展開しようとしていると言えば、おじさん世代が多い自転車乗りにわかりやすい説明ですね。
京都王将と大阪王将、ほっともっととほっかほっか亭のように紛争が起きても両立すればよいのですが(この2つはどちらもお互いに存続して商売をされています)商売は舵取りする人の腕次第で大きく左右される現実が現実です。
【JCLの運営体制】
JCLの運営体制は、競輪場を管理する日本写真判定とAACAカップを運営するKINANが軸。競技運営経験も、バックヤードの会社も財務体質の安定した会社で、話題の中には審判の方々が、JBCFとJCLに分かれて競技運営人数足りないのでは?と危惧されている方もいましたが、JCL側はおそらく専従のスタッフで揃えてくるものと思います(お金が続けばですが)JBCFは、従来通りのJCFの下部組織的な扱いで地方車連と協力してというスタイルと思います。
どちらが安定するのか、レースクオリティが高いか。経験あり専従人員と思われるJCLの方が高いと思います。
今までJBCFは、下準備は開催地でやってくださいというスタイルでした。例えば「沖縄国際通り」を封鎖してレースをしたいという要望があったが、準備は地元沖縄でやってください。オリンピックなら「招致してもリターンが充分に見込める」と開催すると思いますが、プロとはとても言えない現状の自転車レース業界でそこまでやる人はまずいません。そういう意味でJBCFは自分の価値を見誤っているのは言葉厳しいようですが否めません。
ところが、地域密着型チームはまがりなりにもレース開催に尽力してきました。地域チームは自力での競技運営は難しいですが、競技運営を支える本体がいれば、活動レベルはぐっと上がります。今まで地道に開拓してきたものがつながったのがJCLのレースカレンダーで評価されるべきものと思います。
出典 https://www.jcleague.jp/pdf/jcl20201231a.pdf
【大きな2つの問題点】
JCLは資金調達もしましたとリリース
https://www.jcleague.jp/pdf/jcl20210119a.pdf
JBCFでは、こういったリリースはありませんでした。そういう意味でJCLには、片山右京氏・廣瀬佳正氏ではない、一般的な経営が出来る方が事務局としていらっしゃると推測されます。とても良いと思いますが、JCLがプロ足るには2つの大きな問題点があります
(1)選手層が薄く、JCLだけで人が呼べるか?というと疑問
今までたたでさえ薄かった選手が2つにわかれました。JBCFの上位選手だけでJCLとして再構成するなら価値があったと思いますが、JCLの地域密着型チームの選手だけで「人が呼べるか?」というと疑問しか残りません。地域密着型チームでは「JPT完走すらやっと、または完走すらできてない」選手が多く、下手すると市民レースの上位選手の方が強い。※そもそもでさえ観客が少ない(E1~E3の選手が実質の観客)のにプロ?という問題は残ります。初年度は大目に見てくれるでしょうけど、2年目以降そうはいかないので「お金が集められるか?」というとおそらく難しいと思います。
2020年の大晦日の格闘技コロナで外国人選手がいませんでした「外国人選手の迫力がない大晦日の格闘技と全く同じ」です
(2)お金が続くかという問題
eスポーツ(シャドウバースというゲームが1億円近くの賞金)があっというまに価値を作りました。今は専門学校にeスポーツ学科があるくらいです。食える仕組みを裏方が作れれば(1)の選手層が薄い問題は解決できます(優秀な選手は待遇にひかれ必ず出てきます)
しかし、自転車業界の収入構造はおそらくJCLも大きくは変わっていないと推測しています。資金調達をしたはいいが「食いつぶすだけ」で「破産」という二文字が見え隠れするのは否めないと思います。以前Bリーグバスケチェアマン(当時千葉ジェッツの社長)島田さんに、自転車レースでプロはありえますか?と話を30分程度させて頂きましたが、自転車の収入構造では無理と断言されていました(2018年当時)
【JBCFとJCLの大予測】
【JCLサイド】
鶏が先か、卵が先かですが、自転車レースのプロリーグが成立するまで投資を続けられるかというと難しいと思います。大きなスポンサーを捕まえたようですが、1年目は良くても、2年目でひずみが見えてきて、3年目にはJBCFに出戻り、またはJCL自体がなくなっているのではないかな?と大予測。
JCLの経営陣を調べてみると
廣瀬佳正 宇都宮
片山右京 UKYO
桑原忠彦 UKYO
加藤康則 KINAN
北口圭介 スペシャライズド?写真家?
犬伏真広 アステリスク合同会社?(経営コンサルタント?) この犬伏さんという方が、お金を引っ張る役目のようです。
【JBCFサイド】
JBCFはいわゆるJCRC化しました。ほぼクローズドサーキットです。地道にお金がなくてもレースを続け収益を生み出すにはそれしかありません堅実な手段だと思います。しかし、従来のJBCF参加者は2021年度登録者大幅減になると思われます。
群馬CSCなどクローズドサーキットで、アテンダントや硬いルールに縛られるなら「ニセコクラシックやツール・ド・おきなわ」で勝つ方向にシフトする方もかなりいると思います。Tomさんが同じ内容を募集して789票で60%大きな市民レースで勝つことが価値があるというTwitterアンケート。
出典 https://twitter.com/tomsisbos/status/1343084734776143874
【推測の最終結論】
JBCFとJCLが実質的に共倒れして、その反省点をじっと見ていた単体で収支が取れる大手市民レース主催者(ツール・ド・おきなわ協会やニセコクラシック事務局クラス)が連合組織を作り、4年後あたりに本当の意味でプロ化となるのでは?と思います。やはりお金を自力で稼げることこれにつきます。
おきなわ事務局などはレース単体で1億円超えの売上高。
本業のお金集めとは別に、各開催地が最低1億以上稼げるようになって、さらに連合組織となってはじめて・・・ですかね。
我々は福島県内の公道オンリーで、誰もが参加できる市民レースとして
https://tour-de-fukushima.jp/
今まで通り、ゆるく地元と地道に進めて行きます。
2021年度(スケジュールが決まっているもの)
第1戦 4月24~25日 ツール・ド・かつらお(那須ブラーゼンレポートを参照)
第2戦 5月29~30日 日本国内最長距離となる浄土平磐梯熱海スカイラインヒルクライム32kmなど
日程が定まり次第アップしていきますのでこちらもご覧ください。