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熱中症:7月中旬~8月末まで大会を行わない判断

大会事務局から相談がありました。今年の夏イベントを実施して良いものか?

結論から先にお伝えしますと、選手とスタッフの体調を踏まえるなら昨今の気候変動により気温上昇はえげつないもので、7月半ばから8月末まで(学生の夏休み期間が目安)は外でのイベントはやらない方が賢明です。

今年、甲子園で(クーリングタイム:5回の裏に10分休憩)が導入されましたが、現場で参加選手・スタッフの体調管理をする立場から意見をさせていただくとほぼ意味がありません。

暑い中で人間が体調を保っていられるのは概ね30分。30分に1回休憩(体を冷やす、水分・塩分補給)ができるなら(まだ)良いのですが、一度体調が悪くなったら戻りません。体だけでなく脳への損傷も大きく熱中症から高次脳機能障害などもありえます。長時間高強度で走るレースは夏場は実施しない方が良いです。我々業者はレースを行ってもらう方が正直なところでは、ビジネス・収益にはなりますが、参加選手・スタッフの皆さん、そして主催者のことを考えれば止めるべきものは止めることを進言するのも必要です。主催者や事務局は実情がわからない場合もあり、我々現場で参加者と接し実情がわかる立場が進言しなければなりません。

我々の本拠地、福島県にとって大きな衝撃がありました。
伝統行事である相馬野馬追(7月末開催)相馬野馬追で馬2頭死ぬ 日射病などで 観客ら83人熱中症や疑い
https://news.yahoo.co.jp/articles/cea22c0be58c70aaf7c27aeaaa858283815c6f37

公式サイト
https://soma-nomaoi.jp/
今年の事故を踏まえ、来年度・開催時期を前倒しする見込みです

参加する選手の体調管理の目安

暑さ指数
・(25~28)警戒 熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。激しい運動では、30分おきくらいに休憩をとる。
・(28~31)熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う。暑さに弱い人※は運動を軽減または中止。

一度熱中症になったら簡単に治るものではありません。参加選手はある意味楽しみ、そして自己責任でもありますが、イベントを支えるスタッフ(特に交通整理員の皆さんは、選手の2~3倍の時間炎天下の中で活動する必要があります)この時期にどうしても実施するならば交代要員と資材も必須。参加費もその分上げて対応などもしなければなりません。

どうしてもこの時期に実施するならば、朝6時~10時くらいで終わるなどタイムシフトが必要です。今までこうだったから・・・ではなく、ダメな時にはやめましょう。真夏に実施しないという判断をすることが、今の日本においては必要なんだと思います。参加者・スタッフどちらのためにも。

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