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イベントの道路使用許可 / 許可を出す側の目線について #2

#1 の続き。

弊社は日本最多クラスで、車両規制有のスポーツイベントの開催調整をしています。大多数の方は年1回だと思いますが、月2回以上(年間30レース)段取りをしており、警察署や道路管理者、地域の皆様が自転車に対してどう思っているか。日頃許可取得の際に言われることの代表例を記します。

今までは皆さんが知らなくても良い状況でした。しかし、ツールド北海道の死亡事故以降潮目は明らかに変わり、皆さん1人1人が安全に配慮して行動しなければいけない状況になりました。こんなことまで、許可を出す側から要求されているの?という現実を知っていただき気をつけていただきたいという(注意喚起を促す内容)です。

東京で起きた事故だから、他県には影響しないでしょと考えるかたもいるかもしれませんが、各都道府県警は横の連携をはかっており情報共有がされています。福島で200kmのレースを計画し開催内諾を頂いた際に、福島県警はツールドおきなわの警備計画書(全資料)を持っていました。

例としてあげる主催者は、いずれも当該大会で事故が起きていない状況にもかかわらず許可条件のハードルが上がった例です。

(例1)すべて警備員でないと開催許可が出なくなったイベント
以前は、主要交差点は警備員(プロ)、それ以外は地域の方(一般)で運営されていました(20名中警備員5名、地域の方15名)警察署の担当者が同じ人で変わっていないのにもかかわらず以前と2023年度後半は必須事項として明示。警備員1人増えれば約3万円の開催費用増は見ておく必要があります(つまり同じ規模だとー45万円)

(例2)2日制レース、初日のイベントなし、2日目も一部コース変更
同エリアで重大事故が発生。従来と同じ体勢で許可は出来ないとハードルがぐっと上がり、開催を諦めるところでしたが、初日のリソースを2日目に振り分けて対応した苦肉の策とも言える状況。

(例3)規制イベント中でも、現行法令遵守が条件となったイベント

道路交通法第63条の11からヘルメット着用が条件。
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/helmet.html
レースが終わって駐車場へ移動する際にもヘルメットを着用させなければ開催を取り消す。レース参加者以外の観戦者についても遵守させること。
また観戦者が自転車で二段階右折をしない(それも遵守させないと開催を取り消す)なども増えてきました。

以前は、交通規制中というのは駐車場への行き帰りの低速走行もヘルメットをかぶれなどは言われませんでしたが、参加者に対しても、観戦者に対しても、主催者は法令遵守させることが開催条件になってきています。

今までは「自転車だから」と甘く考えていた方も多いと思います。しかし、警察の目線では、あまりにも自転車の悪質な走行違反が多く自転車も青切符(反則金)を導入せざるを得なくなった現実も把握してください。下記URLはNHKニュースで抜粋ではありますが必ず目を通していただきたいです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231221/k10014294661000.html

みなさんに最もお伝えしたい重要な部分ですが

・自転車だからという甘えは社会的に一切許されない状況であること(自転車に対して青切符が適用される世の中の見方)
・自動車を運転するのと全く同じ感覚で、安全に細心の注意を払い自転車も走行すること

感覚として走行中、自分のマイカーで自動車レースに参加する意識
→お互いにクルマに傷つけちゃいけない・怪我させてはいけないという意識をもっていただくと、結果としてだいぶ変わるかと思います。

今、どういう状況になっているかというと

自転車の事故が多い→イベント開催に対してハードルが上がる→結果として対策人員・対策要件も増え参加費が高騰する

最後にどうなるか
→費用を準備できない公道レース主催者は開催を諦める(自然淘汰として仕方ないことではありますが)ことになります。

1人1人が走行に注意する→イベント開催のハードルが下がる→結果として対策人員・対策要件が下がり参加費も下がる

残念ながら、警察や行政はレースイベント、サイクリングイベント、ブルベ、日常のサイクリングをわけて考えてはくれません。一律自転車というくくりで法令に照らし合わせて対応を求めてくるので、言葉は悪いですが(連帯責任)としてのがれられないのが現状なのです。

最後に大変残念ながらイベント開催中に、事故・トラブルが起きた場合の警察署・行政側の判断基準もおおむね5段階にわけて明記しますので参考にしてください

レベル1 擦過傷程度 お咎めなし
レベル2 救急車1台を呼ぶ 鎖骨骨折など命に影響を及ぼさない範囲はお咎めなし
レベル3 救急車1台を呼ぶ 重症(次回開催のハードルは上がるが開催は可能)
レベル4 救急車1台を呼び重体、または救急車2台以上を呼ぶ 次回開催は中止の可能性大
レベル5 死亡事故が発生(国レベルの大きな力が働かない限り次回開催はなし)

公道を使って自転車・自動車の接触は、自転車同士であっても「交通事故」です。それらは愛好家・主催団体・関連業界全体で減らしていかねばなりません。そして、イベントを主催・サポートする側も、常に知識をアップデートして行く必要があります。

道路使用許可には、主催者とは別に「現場責任者」という欄があり、過去実績が考慮され経験が浅い団体だと、同じ申請要件でも開催許可が降りないことも普通にあります。過去実績(大きなトラブルをおこしていないかどうか)がすべて。1回でも過失による致命的なトラブルを起こせば終わりという現実。

国土交通省と自転車団体で、公道イベント開催者ライセンスのようなものも、求められる世の中になりそうです。
レベル1・2のみなら軽微な原点、3・4で累積で停止、5ならライセンス停止または剥奪など。

人の命を預かるということ=開催サイドのミスで死亡事故が起きた場合は我々も同時に死ぬので、その覚悟を常に持って現場に臨んでいます。

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