トップ画像は公式サイトより
2.交通規制を担当する人員のスキルの続き
交通規制スキルが大会運営の安定を左右するのですが、競技管理側として大変苦労するポイントです。現場で起きていることをストレートにお伝えします。中には愚痴に聞こえる方もいらっしゃると思いますが、現実はこうなんだと理解いただくためにあえて包み隠さず記載しています※すべて事実ですので個別にご連絡頂ければよりいつどこで何が起きたかなど詳細な情報を共有させていただきます。
競技運営のパターンは主に2つです。
A 弊社が警備計画を立て、交通誘導員も弊社で一括手配し、事前に教育をして当日を迎えるパターン(コストは高くなりますが安定はします)
B 主催者が地域ボランティアを募り配置(主催者が立てた計画に従い弊社は当日の競技管理、交通整理のスキルは当日になってみないとわからない)
どちらが安定するかは言うまでもなくAです。
2023年4月に国道6号を封鎖して開催したツールドふたばは、弊社で警備計画を立て、パターンAとして一括受託し運営しました。
バイシクルクラブ https://funq.jp/bicycle-club/article/878285/
本来、関係者以外にお見せすることはありませんが、これから大会を開催される主催者の方、そして現在開催している方も、自分の大会と他大会を比較して、参加者の安全を守るための資料として特別にアップしますのでご活用ください。
ここで、皆様にお知らせしておくべきことは「警備会社」の現実。警備会社といえば訓練された制服の隊員がきびきび動くから安全だと思っている方が多いと思いますが、実際は「警備会社」であってもミス・トラブルは多発します。
警備計画を警備会社に渡すと「現場隊長クラス」の方は、警察官と同じくらい正確に安全を追求しやりとりが出来るのですが、当日配置につく方はあなた本当にプロの警備員なの?素人同然じゃないの?という方も実際かなり多く、お金を払って=1日あたり3万円(目安)警備会社の面倒を見るという残念な事態にたびたび陥っています。
警備会社を選ぶコツをお知らせしますと、交通誘導警備ではなく雑踏警備に強い会社を選んでください(特に雑踏警備検定所有者が多いところ)雑踏警備検定とは不特定多数の人たちが集まる場所での事故やトラブルを防ぐための警備を行う上で、人員の整理や誘導、不審物の確認、緊急時対応などの業務に必要なスキルを身に付けている方です。またそういう警備会社は30~40歳が多くトレーニングもされており、高齢者や太った方はほとんどいません。見分けるポイントです。
(交通安全協会の皆様)
高齢者が多く警察署の方はあまりあてにしていないようですが、一度レクチャーをすれば大変スムーズに交通整理をいただけるいぶし銀の職人集団です。警備会社の場合、一般的には遠方から派遣されるため土地勘がなく地域の交通諸事情を理解していないことも多いのですが、交通安全協会は地元の方々であり地域事情にも精通。我々が意図しない大型農作業者何時頃来るから気をつけろと無線を入れてくれたりもします。今後、もし大会等で交通整理をお願いすることがあれば、地域事情にも精通している「交通安全協会」の皆様をオススメします。
(一般ボランティアの方)
ご協力いただく一般ボランティアの方は、事前トレーニングをさせていただく機会も限られます。1から10まで数ページに渡る資料を作ったこともありましたが、経験を重ねた結果、最大限力を発揮できるよう地点番号入りの全体マップと下図の役割(A4両面印刷)1枚だけお渡しするようにしています。
弊社で京都美山サイクルロードレースの競技管理をさせていただきましたが、トレーニングする機会も限られ交通誘導員も一般ボランティアの方で対応。
交通誘導員の方が、静原~和泉交差点あたりで入れてしまうこともありましたが、何番地点から白い車が逆走で侵入と無線を確実に入れていただけたので、競技管理(エスコートバイク)でブロックなど大きなトラブルなく救急車を呼ぶこともなく競技を終えることが出来ました。
一般の方に交通誘導員をお願いする場合は、要点をシンプルに絞りお願いすることが「鍵」です。自治体の方などは数ページにも渡る資料を作って渡していますが、現場の方にヒアリングすると斜め読み程度でほぼ頭に入っていません。この資料を今後の参考にしていただければと思い共有させて頂きます。
本題 3.コースの事前調査と警備計画と当日起きること に続きますが
ものすごく違和感があるコメントがありました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1f87c52233889f43a2243c81540c0b06a1998fa0
運営団体は「通行規制のコース内で、車の合流、進入の可能性のある道路が、どこに、いくつあるのかは、こちらで全て網羅しているわけではなく、そうした可能性のある全ての地点に警備員がついていたわけではない」としています。
これは、現場を管理する立場として疑問を持たざるを得ません。
今回の件、我々も訴えられる側です。本来競技としてかばうべき仲間ですが「競技役員の過失」と取られても仕方がないかと思います。
競技管理者はコースを実際に自転車で走り、路面状態、交通量、地域特性、地域諸事情をヒアリングして大会当日は鮎釣りが解禁日で釣り人がレース前にコースに侵入しているかも?など情報を把握した上で競技進行を行うことが欠かせません。実際に「自分が走って安全でないと思うコースに選手を走らせられますか?」「自分の子供を走らせられるか」ということを常に頭に入れて進めています。
記事をお読みいただいた方は、車列表を見て違和感を感じていただけるかもしれません。ツールド北海道2023の競技役員名簿と車列体制表です。
#3本題 に入っていきます。