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ツールド猪苗代湖でひき逃げ被害が発生 / 報道および世間一般的な認知度

福島県の郡山市、会津若松市、猪苗代町を舞台に開催される地元新聞社・福島民報社が事務局を務めるサイクリングイベント「ツールド猪苗代湖」にて、ひき逃げ事件が発生しました。最初の報道は「ロードレース大会に参加中の男性がひき逃げ被害」というものでした。

ロードレース大会に参加中の男性がひき逃げ被害(今は訂正されています)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4ebc91118bdc3bd47424c4d50b88a559c911791e

ツールド猪苗代湖
https://cycle-aid-japan.jp/

再び「ツールド北海道」のような事故が起こったのか、あってはならない事態が短期間で二度発生すれば、日本国内で公道を封鎖する自転車レースは未来永劫開催できなくなる可能性があります。急いで確認したところ、実際に発生したのは「ツールド猪苗代湖」でのひき逃げ事件でした。

関係者は、車両通行止めを行わない(道路使用許可4号に基づく行事)ことを理解していますが、Yahooニュースなどのマスコミは「ロードレース大会に参加中の男性がひき逃げ」と報じました。これにより、状況を知らない人々が不安を抱くことになりました。

Yahooニュース(FCT派出の記事)のコメント欄も多くの反響がありました。

正直、レース業界にとっては風評被害です。なぜこのような報道がされたのか、関係者の一人として事実確認を行いました。

管轄警察署は福島県警本部猪苗代警察署です。

事実確認の結果、猪苗代警察署交通課からの報告が福島県警本部に届き、その後マスコミ各社(記者クラブ)に情報提供されるという流れで記事が作成されました。

ここで、非常に残念に思った点がいくつかあります。

  1. 猪苗代警察署の交通課の誤解
    猪苗代警察署の交通課は、車両通行止めを行わないサイクリングと、通行止めが必要なレースが異なることを理解していなかったようです。担当警察官に直接ヒアリングしたところ、サイクリングとレースの違いについての認識を深める必要があると感じました。誤った認識がレース業界に多大な悪影響を及ぼしたことを認識していただきたいです。
  2. 福島県警本部でのチェック機能の不備
    猪苗代警察署から福島県警本部に送られた際に、「これはサイクリングであってレースではない」と気付くべきでした。確認したところ、当直の職員が対応したため、平日なら当該部署の方が訂正してくれた可能性がありますが、結果的にマスコミへの情報提供がスルーされてしまいました。
  3. マスコミの報道の質の低下
    記者やニュースデスクは、ロードレース大会として報道しました。裏取りがマスコミの基本ですが、警察署の発表だからといって情報を鵜呑みにし、イベントの性質を理解せずに報道されたことは問題です。※福島テレビは最初からサイクリングイベントと記載されていたように思います。

猪苗代警察署の担当者に訂正を依頼し、Yahooニュースの表題も修正されましたが、世間の印象としては「ツールド北海道に続くロードレース大会での事故・ひき逃げ」という記憶が残ってしまいました。非常に残念な出来事でした。

私たち関係者や愛好者は、Yahooニュースのコメント欄が一般の人々の自転車に対する目線を反映していることを理解しておく必要があります。警察署でもマスコミでも誤解が生じ、今回の報道に至ったことを反省し、今後の活動を進めていく必要があります。

Yahooニュースのコメント欄
https://news.yahoo.co.jp/articles/4ebc91118bdc3bd47424c4d50b88a559c911791e

被害に遭われた方の回復と、ひき逃げをした方の逮捕を願っております。

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