自治体主導のサイクリングルートが99.9%失敗する理由PART1(省庁・行政関係者必見です)
自治体主導のサイクリングルートが99.9%失敗する理由
Yahooニュース(福島民報紙面)
https://news.yahoo.co.jp/articles/59feaf52349d371b4e59220befc47242f3693e82
県は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響が色濃い浜通りで国のナショナルサイクルルート指定に向け、官民連携による協議会を設立する。東北初となる指定を目指し、県が中心となって浜通り全域を巡る自転車道のルート設定や環境整備のための協議を加速させる。28日の6月定例県議会一般質問で、吾妻嘉博観光交流局長が荒秀一議員(県民連合、相馬市・相馬郡新地町)の質問に「浜通りの交流人口の拡大には各地域をつなぐ持続的な取り組みが重要」と答弁し、国のルート指定を目指す方針を明らかにした。民間主導で指定を目指す動きがあるが、今後は指定要件の一つ「官民連携の取り組み体制」を構築し、本格的に動き出す。 7月下旬、Jヴィレッジ(楢葉・広野町)で「ふくしま浜通りサイクルルート推進協議会(仮称)」の初会合を開く。県をはじめ、浜通りと原発事故に伴う避難区域が設定された15市町村、自転車関係や観光、地域づくりなどの計50団体程度で構成する。
指定にはサイクルツーリズムを推進するための魅力的で安全なルート設定が求められる。協議会は安全で快適に走行できる環境整備、サイクリストの休憩、宿泊、自転車修理などの受け入れ環境の整備に向けた具体的な検討を進める。 浜通りでは自転車のロードレース大会「ツール・ド・ふくしま」が開催されるなど、自転車による地域活性化の機運が高まっている。浜通りの市町村を結んだ自転車道が国に指定されれば、国内外からサイクリストが集い、国際的な大会の開催も視野に入る。 浜通りには東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)や震災遺構請戸小、道の駅なみえ(いずれも浪江町)など、復興の歩みや特産品の魅力を発信する拠点が整備されている。国指定を追い風に、コロナ禍からの回復が顕著なインバウンド(訪日客)を呼び込むための仕掛けを描く。 現在、広島県と愛媛県を結ぶ「しまなみ海道」など6コースが国に指定されている。国は一定の要件を満たしたサイクリングコースを候補地に選定し、国土交通省が設ける第三者委員会の現地調査などを経て正式に決定する。指定を受けると、国による情報発信やハード整備の財政支援を受けられる。
県観光交流課の担当者は「国内外での浜通りの認識を『被災の地』から『希望の地』に変える。官民の連携を強化し、指定を実現させたい」としている。 ■ナショナルサイクルルート指定の主な要件 ・ルートの延長がおおむね100キロ以上 ・経路などの路面表示や案内看板の設置による安全・快適な走行環境の確保 ・レンタサイクルや着替え場所を備えた「ゲートウェイ」の整備 ・利用者向けの宿泊施設の確保 ・官民連携の取り組み
自転車機運が高まること、省庁・行政の方が取り組んでいただいているのは大変嬉しいことです。
しかし現状のままでは99.9%失敗する理由について「現状」を踏まえて説明したいと思います。
【問題点1:そもそも、何をしていいかがわかっていない】
家を建てたいと思っても、設計図がかけない人がいない、現場施工ができる人がいない状況で家を建てているのが省庁・行政の現実です。省庁・行政の職員は総合職であり、人事異動が3~4年ごとにあるため専門家はほぼいません。モチベーションとしても極稀に熱血な方もいますが、たまたま業務としてでやることになったためにやっている。なんとなくやらざるを得ずやっているというのが現実です。
(ポイント1)
考えてみましょう。自分が仕事で来週この中の種目で大会を開催することになったので用意してと言われて、正確に参加者のニーズに合ったものが提供できますか?大多数の方が的はずれなことをやってしまうと思います。サイクリングおよびレースで何が「ニーズ」として必要なのか実際の決定権を持つ彼らにわかってもらう必要があります。
(問題点2:省庁内、行政内の根回しに時間を取られて、実行速度が牛歩戦術並みに遅い)
日本の省庁・行政の仕組みの根本問題ですが、何かやろうと思っても「根回し」に時間を取られてしまい「サイクリストのニーズ」はどこにあるのか「サイクリストが求める実行時期」に沿うよう対応することが必要ですが、サイクリストが求めるニーズに応えることが1番ではなく社内調整が1番、サイクリストのニーズは2番という本末転倒な事態が福島県を問わずどこも起きています。民間であれば1週間で決まることが1年以上かかってしまいます。地元のサイクリングルートですが
猪苗代湖サイクリングモデルルート
http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/cycling/tubuyaki2211a.html
コースをどう設定するか。各自治体さんの駆け引きがはじまります。ここを通せ、じゃないとうちは協力しない、観光面ではこう、道路行政面ではこう。まず優先すべきは「サイクリストのニーズ」はどこにあるのかを把握しそれを改善・解決することであって、省庁や行政内の調整が主ではないのです。
傍目に見ていて、拉致があかないために、自転車に乗ったこともない方が、自分の立ち位置だけの話でものごとを決めていく仕組みは100%よくないと判断。はい!全員実際に自転車でまわりましょう。半ば強制的に走る機会を2回作ってもらいました。
そもそも、机上の空論だけで行政間の駆け引きをするのは絶対にいけません。踊る大捜査線の名ゼリフ「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!」実際の現場を体験(道路交通法を理解していない面や、ヘルメットの被り方、自転車の調整、走行に必要なメンテナンス、見どころはどこか、そしてどのあたりで疲れてくるか、疲れてきた時、パンクや体調不良などで緊急時に欲しくなるものは何かを指導)しながら猪苗代湖一周を走りました。
福島県の皆さんはちゃんと話を聞いていただけるので成長スピードは行政としてはまだ早いと思います。
(ポイント2)
省庁や行政間の駆け引きが優先ではなく、まず優先するのはサイクリストのニーズ。これがどこにあるのか実際に体験してください。情報量が違いますしおぼろげな知識と、なぜいわゆる有識者と言われる人たちが、自分たちの感覚では不必要なものを強く言うんだろうか?というギャップを埋めることが出来ます。
PART2に続きます